公開講演会 第47回社会福祉のフロンティア「旧優生保護法と強制不妊手術:国家責任を問う」
INFORMATION
社会福祉研究所に集う私たちは、2014 年 2 月、「多元的共生社会」の到来を願って『多元的共生社会の構想』を上梓した。多元的共生社会を構成するどんな人も、性差、性同一性障害、民族?人種、宗教?信仰、障害、性的指向?年齢に関わらず、人権が擁護され、同じ価値と可能性を持てるようにならなければならない。昨今多元的共生社会を積極的に目指そうとする動きが見られるが、国から不当な仕打ちを受けても声すら上げられず、苦しみ、社会の片隅でひっそりと生きてきた人たちがいる。旧優生保護法下において強制的に不妊手術を受けさせられた人々も、その中に含まれる。これまで国は、国家的人権侵害に対する国家責任を認めず、不問に付そうとしてきた。その最中、宮城?北海道?東京の被害者が国家責任と損害賠償を求めて裁判所に提訴した。超党派の国会議員連盟が発足し、各県?市議会でも、かれらへの支援の輪を広げはじめた。
そこで、これまで声を上げることすらできなかった被害者たちを支え、旧優生保護法の問題点を改めて考え、今尚消えることなく残る優生思想の影響を払拭するために公開講演会?討論会を開催する。
講師
立命館大学?教授
松原 洋子 氏
筑波大学第二学類生物学類卒業、東京大学大学院理学系研究科課程前期課程修了、お茶の水女子大学大学院人間文化研究科博士課程後期課程修了。現在立命館大学大学院?先端総合学術研究科教授?研究科長?人間科学研究所所長。専門は科学史?生命倫理学?科学技術社会論。近現代の生物学?生命科学?医学と関連技術について、特に生殖、病気、障害に関わる争点と社会との関連に注目しながら、研究を進めている。日本生命倫理学会常任理事、日本学術会議第 22 期?23 期?24 期連携会員などの役職も多数務めておられ、優生学関係の著書?論文等も多数著している。
仙台弁護士会?弁護士
新里 宏二 氏
岩手県出身。中央大学法学部法律学科卒業。仙台弁護士会所属弁護士。旧優生保護法下で強制不妊手術を受けさせられた人たちに寄り添い、人権侵害を強いてまでも優生保護法の徹底を謀ろうとしてきた国家の責任と被害者への損害賠償を求める全国初の訴訟を起こした宮城県内の原告女性を支える弁護団団長。
フリーライター
大橋 由香子氏
フリーライター?編集者。「優生手術に対する謝罪を求める会」メンバー。著書に、「避妊や中絶をめぐるタイムトンネル」『日本のフェミニズム』(北原みのり責任編集、河出書房新社、2017所収)、「人口政策の連続と非連続-リプロダクティブ?ヘルス/ライツの不在」(西山千恵子?柘植あづみ編著『文科省/高校「妊活」教材の嘘』論創社、2017所収)、「産むか?産まないか-からだと健康をめぐる女性の運動」(堀芳枝編著『学生のためのピース?ノート2』コモンズ、2015所収)、『満心愛の人ーフィリピン引き揚げ孤児と育ての親』(インパクト出版会、2013年)、『福島原発事故と女たち』(梨の木舎、2013年、共編著)など。
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